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2025年10月29日

👄 矯正で「口ゴボ」はどうして改善するの?
~横顔がスッキリ見えるメカニズムを解説~

💡 どちらのシルエットの方が美しくみえますか?

「口ゴボ」とは、口元が前に出て見える状態のこと。
正面から見ても、横顔(Eライン)から見ても、上唇や下唇が鼻先よりも前に出ているように見えるのが特徴です。

見た目だけでなく、

  • 唇が閉じにくい
  • 口呼吸になりやすい
  • 発音がこもる

などの機能的な問題を伴うこともあります。

🦷 なぜ口ゴボになるの?

口ゴボは、主に次のような原因で起こります👇

  1. 前歯が前に傾いている(歯の角度の問題)
  2. あごが小さくて歯が並びきらない(骨格性)
  3. 口呼吸や舌のクセで前歯を押し出している(習癖)
  4. 抜歯せずに無理に歯を並べた過去の矯正治療

つまり「歯の位置」と「骨格」と「筋肉のバランス」が崩れている状態なんです。

矯正治療での改善メカニズム


前歯の角度をコントロールする

矯正ではワイヤーやマウスピースを使い、前に傾いた前歯を後ろ方向へ立て直すことができます。
これにより、口元のボリュームが減ってスッキリ見えるようになります。

📚論文でも、上顎前歯の角度を10°立てることで、上唇が平均2~3mm後退するという報告があります。
(Kim et al., Angle Orthod, 2018)

歯を後ろに移動させる(スペースコントロール)

歯を後ろに下げるには、次の2つの方法があります👇

  • 抜歯矯正: 小臼歯を抜いてできたスペースに前歯を後退させる
  • アンカースクリュー(インプラント矯正): 小さなネジを固定源にして、歯を骨ごと後ろに移動させる

📚近年の研究では、アンカースクリューを使った矯正で、上唇の位置が平均3.5mm後退したと報告されています。
(Sugawara et al., Am J Orthod Dentofacial Orthop, 2022)

舌や唇の筋肉バランスを整える

口ゴボの人は、無意識に唇や舌で前歯を押すクセ(舌癖・口呼吸)がある場合があります。そのままでは、歯を下げてもまた前に戻ってしまうことも。

そこで行うのが口腔筋機能療法(MFT)」
舌の位置や口の閉じ方をトレーニングして、歯・筋肉・呼吸のバランスを整えることで、仕上がりを安定させます。

📉 どのくらい変化するの?

症例によって差はありますが、多くの研究で「唇の位置は歯の移動量の約30〜50%動く」と報告されています。
つまり、前歯を8mm下げると、口元は平均2.4〜4mm引っ込むということです。

この方は唇側矯正で前歯約8mm後方移動させました。

📚参考(Basciftci et al., Eur J Orthod, 2019)

🌟口ゴボ改善で期待できる見た目の変化

  • 横顔のEライン(鼻先とアゴを結んだライン)が整う
  • 唇が自然に閉じやすくなる
  • 顔の印象が柔らかく、上品に見える
  • 「だらしない」印象が減る


📘まとめ

📚 参考にした主な研究

・Kim J. et al., Changes in soft tissue profile after retraction of anterior teeth, Angle Orthod, 2018.
・Sugawara J. et al., Skeletal anchorage system for retraction of anterior teeth, Am J Orthod Dentofacial Orthop, 2022.
・Basciftci F. et al., Relationship between incisor retraction and lip position, Eur J Orthod, 2019.

著者 Author

矯正医 上條 光太

2014年に歯科医師免許を取得し、矯正一筋で治療をしてきました。
患者様の歯列の仕上がりを0.1mm単位で細かく調整し、より早く終わられられるよう効率的な治療を常に意識して治療に取り組んでおります。
小児矯正から成人矯正、顎変形症の矯正等すべての矯正治療に対応します。
矯正治療は一生に一度の治療になると思いますので心を込めて、患者様それぞれに合った最高の治療結果を提供いたします。