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2025年11月28日

🦷リテーナーをしても歯が動く?
〜舌と咬合がカギを握る理由〜

💡はじめに

矯正治療が終わって「やっと歯並びが整った!」という喜びもつかの間、
「リテーナーを毎日つけているのに、なんだか歯がまた動いた気がする…」と感じる方も少なくありません。

実は、リテーナーをしっかり使っていても、歯は完全に止まるわけではありません。

そして、その背景には「舌のクセ」と「噛み合わせ(咬合)」が深く関係しています。

📚 研究が示す“後戻り”の現実

2021年に発表されたレビュー論文
What causes failure of orthodontic retention?(Head & Face Medicine)

では、さまざまなタイプのリテーナー(固定式・取り外し式を含む)について、
「装置が壊れていなくても、歯がわずかに動いてしまうことがある」と報告されています。

つまり、リテーナーそのものの性能よりも、“使い方”や“周囲の筋肉のバランス”が安定を左右するのです。

🦷 歯が動いてしまう主な理由

👅 舌のクセが歯を動かすメカニズム

舌は見た目以上に強力な筋肉です。
リラックス時でも歯に軽い圧をかけており、力の方向がずれていると少しずつ歯が押されて動いてしまいます。

  • 上顎のリテーナーを舌で押す → 前歯が前に出て“出っ歯感”が強くなる
  • 舌を前歯に押し当てる → 前歯が開いて開咬(かいこう)になる
    ※開咬とは奥歯をかみ合わせても前歯が閉じず、すき間があいてしまう噛み合わせのことです。

舌のクセが残ったままだと、どんなリテーナーを使っても安定は難しいのです。

🦷 咬合のズレと“噛んでいない歯”の関係

歯は、上下の歯同士がしっかり噛み合うことで安定しています。
ところが、矯正後に一部の歯が噛み合っていない(非接触)状態だと、その歯は上下から支えを受けず、リテーナーの力だけでは安定しにくくなります。

噛んでいない歯ほど「自由に動ける余地」が大きく、その結果として“後戻りしやすい環境”が生まれるのです。

咬合のバランスが整っていないまま放置すると、噛み合っていない歯がゆっくりと動き出し、せっかく整えた歯列全体の調和を崩してしまうこともあります。

💡 安定を守るためのポイント

① 舌の位置を整える(MFT)

  • 舌先を上顎のスポット(上の前歯の裏の少し後ろ)に軽く当てる
  • 唇を閉じて鼻で呼吸する
  • あげろーくんの舌筋トレを1日5分

② リテーナーの状態を定期チェック

  • 変形・破損・フィット感の変化を早めに確認
  • 保持力が弱いと感じたら早めの再製作を

③ 噛み合わせのバランスを意識

  • “全体で噛めているか”を感じながら食事をする
  • 片側だけで噛む癖を避け、均等な力を意識する

まとめ

  • リテーナーをしても歯が動くのは、「舌の力」と「咬合のバランス」が関係している
  • 舌でリテーナーを押す、前歯を押し出す癖は“出っ歯”や“開咬”の再発につながる
  • 噛んでいない歯ほど後戻りしやすく、リテーナーだけでは支えきれないことがある
  • 舌のトレーニングと、全体の噛み合わせの意識が長期安定のカギ

💬「リテーナー=ゴール」ではなく、「リテーナー+舌と咬合の管理」が矯正の完成です。

著者 Author

矯正医 上條 光太

2014年に歯科医師免許を取得し、矯正一筋で治療をしてきました。
患者様の歯列の仕上がりを0.1mm単位で細かく調整し、より早く終わられられるよう効率的な治療を常に意識して治療に取り組んでおります。
小児矯正から成人矯正、顎変形症の矯正等すべての矯正治療に対応します。
矯正治療は一生に一度の治療になると思いますので心を込めて、患者様それぞれに合った最高の治療結果を提供いたします。